2025-09-10 20:12 の謎
毎日楽しめる謎解き:消えた王冠と見習い探偵
【プロローグ】
古都カストニア。歴史と伝統が息づくこの街で、年に一度の戴冠式が近づいていた。しかし、王家に代々伝わる輝かしい王冠が、厳重に警備された王宮の宝物庫から忽然と姿を消してしまったのだ。
街の人々は不安に駆られ、戴冠式は中止の危機に瀕していた。そんな中、一人の少年が立ち上がった。彼の名はアベル。まだ見習いだが、誰よりも鋭い観察眼と論理的思考を持つ探偵志望の少年だ。
アベルは王宮からの依頼を受け、王冠の謎を解き明かすべく、事件の調査に乗り出した。
【手がかり1:現場の状況】
アベルが宝物庫に到着すると、そこは厳重な警備とは裏腹に、どこか不自然な様子だった。
- 宝物庫の扉は閉ざされたままで、鍵は正常に機能している。
- 窓は内側から施錠されており、侵入の形跡はない。
- 宝物庫内には、王冠が置かれていた台座の他に、いくつかの足跡が残されている。
- 足跡は3種類あり、それぞれ「王の足跡」、「兵士の足跡」、「小さな足跡」だった。
- 宝物庫内には、小さな羽根が1枚落ちていた。
【手がかり2:証言】
アベルは関係者から話を聞き込み、以下の証言を得た。
- 国王:「私は戴冠式の準備で忙しく、ここ数日宝物庫には近づいていない。」
- 兵士長:「私が最後に宝物庫を点検したのは昨日の夕方だ。その時は王冠は確かにあった。」
- 庭師:「今朝、王宮の中庭で白い鳩を見かけた。いつもは庭には来ない珍しい鳩だった。」
【手がかり3:王宮の構造】
アベルは王宮の構造を調べ、以下の事実を知った。
- 宝物庫は王宮の最上階に位置し、窓の外は急な崖になっている。
- 宝物庫の隣には、鳩小屋がある。
- 鳩小屋には、王宮の紋章が入った特別な鳩が飼われている。
【問題】
アベルは全ての情報を整理し、王冠がどのようにして盗まれたのか、その真相にたどり着いた。 王冠を盗んだ犯人と、その犯行の手口を論理的に説明してください。
解答
犯人: 鳩小屋で飼われている鳩
犯行の手口:
- 庭師の証言から、普段は庭に来ない鳩が王宮の中庭にいたことがわかる。これは、鳩が通常とは異なる行動をしていたことを示唆する。
- 王宮には紋章入りの特別な鳩が飼育されており、訓練されている可能性が高い。
- 宝物庫には「小さな足跡」と「羽根」が残されていた。
- 鳩は宝物庫の窓から侵入し、王冠をくわえて飛び去った。窓が内側から施錠されていたのは、鳩が窓を閉めることができないため、風で自然に閉まったと考えられる。
- 鳩は王冠をくわえて鳩小屋に戻り、犯行は完了した。
論理的根拠:
- 密室状況:扉と窓が施錠されているにも関わらず王冠が消えたという状況を説明できる唯一の侵入経路は、鳩が通れる程度の窓である。
- 足跡と羽根:宝物庫に残された小さな足跡と羽根は、鳩が内部にいた証拠となる。
- 鳩の行動:庭師の証言は、鳩が計画的に行動したことを示唆する。
- 王宮の構造:宝物庫の隣に鳩小屋があることは、鳩が容易に王冠を運べる状況を作り出している。
鳩が王冠を盗んだという大胆な仮説は、一見すると突飛に思えるかもしれない。しかし、上記の証拠と論理的な推論を組み合わせることで、最も矛盾なく事件の真相を説明できる。