2025-08-10 15:11 の謎
毎日楽しめる謎解き問題:古書店奇譚
プロローグ
あなたは古書店「言の葉堂」の店主。ひっそりと佇むこの店には、不思議な噂があった。曰く、「悩みを抱えた者が訪れると、その人にぴったりの本が現れる」と。
ある雨の日、一人の少年が店に駆け込んできた。彼は泥だらけで、肩を震わせている。
「あの…助けてください!友達が、友達が消えちゃったんです!」
少年は、親友のケンタが行方不明になったことを告げた。ケンタは、近所の公園で遊んでいた際、突然姿を消したらしい。警察にも届け出たが、手がかりはまだないという。
「ケンタが最後に読んでいた本を知っていますか?」あなたは少年へ尋ねた。
少年は少し考えてから答えた。「確か…『迷宮の冒険者』という古い冒険小説だったと思います。ケンタはいつも夢中で読んでいました。」
あなたは書架の奥を探し、埃を被ったその本を取り出した。パラパラとページをめくると、一枚の紙片が挟まっているのを見つけた。
紙片には、手書きの文字でこう書かれていた。
「迷宮の入り口は、言葉の裏側に隠されている。時計の針が示す場所を逆に辿り、過去からのメッセージを受け取れ。そして、その場所を声に出して呼べ。」
あなたは、このメッセージがケンタの失踪に関係があると直感した。少年と共に、ケンタを救うための謎解きが始まった。
問題
- 言葉の裏側とは何を意味するのか?
- 時計の針が示す場所を逆に辿りとは、具体的に何をすれば良いのか? 『迷宮の冒険者』という本のタイトルから導き出せ。
- 上記1と2を元に、ケンタが隠されている場所を特定せよ。
解答
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言葉の裏側とは、アナグラムを意味する。言葉の文字を入れ替えて別の言葉を作ることを指す。
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時計の針が示す場所を逆に辿りとは、以下の手順で解釈する。
- 『迷宮の冒険者』というタイトルを時計に見立てる。
- それぞれの文字数を、時計の針が示す時間として考える。
- 迷(1字)→1時
- 宮(1字)→1時
- の(1字)→1時
- 冒(2字)→2時
- 険(2字)→2時
- 者(1字)→1時
- それらを逆方向に辿る。つまり、最後の「者」から順に辿っていく。
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上記1と2を踏まえ、『迷宮の冒険者』のアナグラムを作り、かつ、時計の針を逆方向に辿ってできた言葉を組み合わせて場所を特定する。
『迷宮の冒険者』のアナグラムとして、公園にありそうな言葉で意味が通じるものを考えると「冒険者の休憩所」が考えられる。
時計の針を逆方向に辿ると、 「者」→「冒険」の”者” → 「しょ」 「険」→「冒険」の”険” → 「け」 「冒」→「冒険」の”冒” → 「ぼう」 「の」→「迷宮」の”の” → 「の」 「宮」→「迷宮」の”宮” → 「みや」 「迷」→「迷宮」の”迷” → 「めい」
上記を組み合わせて、「しょけぼうのみやめい」となる。これを並び替えて意味の通る言葉にすると「迷宮の墓所」となる。
公園に墓所は無いので、上記は比喩表現であると考えられる。 公園にある迷路の休憩所の中に過去の偉人(墓)の石碑がある場所がケンタが隠されている場所である。
エピローグ
あなたは少年に「公園の迷路にある休憩所の石碑を探してみよう」と提案した。二人は公園へ急ぎ、迷路へと足を踏み入れた。
休憩所には、過去に公園を整備した人物の石碑が建てられていた。石碑の裏側には、小さな文字で「秘密の場所へは、この石碑を3回ノックせよ」と刻まれている。
少年が恐る恐る石碑をノックすると、石碑がカタカタと音を立て、背後の茂みが開いた。そこには、隠された小さな地下室への入り口が現れた。
地下室の中には、埃まみれのケンタがいた。彼は閉じ込められていただけで、怪我はない様子だった。ケンタは「冒険の本の世界に入り込んでしまったみたいだった」と話した。
ケンタは無事保護され、少年は安堵の涙を流した。あなたは、再び静寂に包まれた「言の葉堂」に戻り、書架に『迷宮の冒険者』をそっと戻した。
翌日、少年が再び店を訪れ、満面の笑みで言った。「ありがとうございました!また、何かあったら相談に乗ってください!」
古書店「言の葉堂」の不思議な噂は、今日も静かに、しかし確実に、広がっていく。