2025-06-27 20:12 の謎

毎日謎解き：消えた王冠の行方

物語

あなたは、名探偵シャーロック・ホームズの助手を務めるジョン・ワトソンだ。ある朝、ホームズの元に、王室から緊急の依頼が舞い込んだ。

「我が国に代々伝わる王冠が、昨夜、盗まれてしまったのです！厳重な警備をかいくぐって、一体どのように…」

国王は憔悴しきっている。ホームズはいつものように冷静に、事件の概要を聞き出した。

王冠は王宮の宝物庫に保管されていた。
宝物庫の扉は特殊な鍵でしか開かない。鍵は国王自身が肌身離さず持っていた。
宝物庫には窓がなく、壁は厚く、トンネルなども存在しない。
警備員は夜通し宝物庫の周りを巡回していたが、誰も侵入者を見ていない。
しかし、確かに王冠は消えていた。

現場を調べたホームズは、いくつかの手がかりを見つけた。

宝物庫の扉は、確かに鍵を使って開けられた形跡がある。しかし、鍵穴に傷はなく、ピッキングされた様子はない。
宝物庫の中は荒らされた様子はない。王冠が置いてあった台座だけが空っぽになっている。
警備員の証言によると、昨夜は激しい雷雨だった。

ホームズは腕組みをして、こう言った。

「ワトソン君、これは実に興味深い事件だ。一見不可能に見える状況だが、必ずや論理的な解決策があるはずだ。君なら、この謎を解けるだろうか？」

問題

上記の状況証拠から、王冠はどのようにして盗まれたのか？犯人のトリックを推理せよ。

解答

王冠は、雷によって盗まれた。

解説

一見、王冠が盗まれた方法は不可能に見える。しかし、状況証拠の中に、見過ごしてはならない重要なポイントがある。それは「昨夜は激しい雷雨だった」という点だ。

王冠が置いてあった台座が金属製だった場合、雷が王宮に落ちた際、その電流が台座を伝って王冠に流れ込んだ可能性がある。激しい電流が流れると、金属は一時的に磁気を帯びることがある。そして、その磁力によって、王冠が台座から引き寄せられ、窓のない宝物庫の壁に一瞬だけ張り付き、その後、別の場所に落下したと考えられる。

この雷による磁力発生トリックであれば、以下の点が説明できる。

扉は鍵で開けられた形跡がある（犯人が鍵を盗んだり、複製したりする必要がない）。
宝物庫の中が荒らされた様子がない（犯人が侵入していない）。
警備員が誰も侵入者を見ていない（雷が落ちた瞬間は、警備員も雷の音や光に気を取られていた可能性がある）。

つまり、犯人は自然現象である雷を利用し、王冠を盗み出すという巧妙なトリックを使ったのだ。犯人は気象予報を知っていて、雷雨になるのを予期していたのかもしれない。