2025-05-31 17:09 の謎
毎日謎解き:消えた王冠の謎
物語:
古の王国、エルドリア。その王家に代々伝わる「太陽の王冠」が、厳重に警備された王宮の宝物庫から忽然と姿を消しました。王冠は、エルドリアの象徴であり、国の平和と繁栄を約束すると言われています。王は、王宮にいる信頼できる5人の人物に、王冠の捜索を命じました。
- 騎士団長: 忠誠心厚く、武術に長けている。
- 宮廷魔術師: 古代魔法の知識を持ち、不思議な力を使う。
- 王女: 知性と美貌を兼ね備え、国民から愛されている。
- 宰相: 冷静沈着で、王の右腕として国政を担う。
- 庭師: 植物に詳しく、王宮の隅々まで知り尽くしている。
捜査の結果、5人はそれぞれ次のような証言をしました。
- 騎士団長: 「私は一晩中、宝物庫の警備をしていました。誰も侵入していません。王女が怪しいと思います。彼女は最近、王冠に興味津々でした。」
- 宮廷魔術師: 「私は魔法で王宮全体を見渡しましたが、王冠は見つかりませんでした。しかし、宰相が深夜に宝物庫の方向へ歩いていくのを見ました。彼は何か隠しているはずです。」
- 王女: 「私はただ王冠に興味があっただけです。盗んだりしていません。騎士団長は私を陥れようとしているのでしょう。彼は以前から私に好意を抱いていますが、私は彼を愛せません。」
- 宰相: 「私は深夜に王宮内を巡回していただけです。宮廷魔術師は、最近魔法の調子が悪いと噂されています。彼の証言は信用できません。庭師なら、王宮の秘密の通路を知っているかもしれません。」
- 庭師: 「私は王宮の植物の手入れをしていただけです。秘密の通路も知りません。しかし、騎士団長が最近、王冠についてしつこく聞いてきたのが気になります。彼は何か企んでいるのではないでしょうか。」
ただし、5人の証言にはそれぞれ嘘が含まれていることが判明しました。 真実を語っているのは3人だけです。
問題:
王冠を盗んだのは誰でしょうか?
解答
王冠を盗んだのは宰相です。
論理的思考:
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仮定: まず、誰か一人が犯人だと仮定し、その仮定に基づいて矛盾がないか検証します。
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騎士団長が犯人だと仮定: 騎士団長の証言(「私は一晩中、宝物庫の警備をしていました。誰も侵入していません。王女が怪しいと思います。」)が嘘だとすると、少なくとも「警備をしていなかった」か「誰かが侵入した」か「王女が怪しくない」のいずれかが真実です。しかし、彼が犯人だとすると、彼が「警備をしていた」という部分が嘘になるだけで、他の証言の真偽は確定しません。
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宮廷魔術師が犯人だと仮定: 宮廷魔術師の証言(「私は魔法で王宮全体を見渡しましたが、王冠は見つかりませんでした。しかし、宰相が深夜に宝物庫の方向へ歩いていくのを見ました。」)が嘘だとすると、「王冠を見つけた」か「宰相を見ていない」のいずれかが真実です。彼が犯人だとすると、「王冠を見つけた」が嘘になり、「宰相を見ていない」は真実になる可能性があります。
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王女が犯人だと仮定: 王女の証言(「私はただ王冠に興味があっただけです。盗んだりしていません。騎士団長は私を陥れようとしているのでしょう。」)が嘘だとすると、「盗んだ」が真実になります。
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宰相が犯人だと仮定: 宰相の証言(「私は深夜に王宮内を巡回していただけです。宮廷魔術師は、最近魔法の調子が悪いと噂されています。」)が嘘だとすると、「巡回していた」という部分が嘘になります。つまり、彼は巡回していなかったことになります。
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庭師が犯人だと仮定: 庭師の証言(「私は王宮の植物の手入れをしていただけです。秘密の通路も知りません。しかし、騎士団長が最近、王冠についてしつこく聞いてきたのが気になります。」)が嘘だとすると、「植物の手入れをしていた」が嘘になります。
- 証言の検証:
- 騎士団長: 騎士団長が嘘をついていると仮定すると、王女が怪しいという部分が嘘である可能性があります。
- 宮廷魔術師: 宮廷魔術師が嘘をついていると仮定すると、宰相が深夜に宝物庫の方向へ歩いていくのを見たというのが嘘である可能性があります。
- 王女: 王女が嘘をついていると仮定すると、盗んでいないというのが嘘になります。
- 宰相: 宰相が嘘をついていると仮定すると、深夜に王宮内を巡回していたというのが嘘になります。
- 庭師: 庭師が嘘をついていると仮定すると、秘密の通路を知らないというのが嘘になります。
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矛盾の排除: ここで、証言の中に「○○は××だ」という証言が複数あることに注目します。3人だけが真実を語っているという条件と合わせて考えると、「○○は××だ」の証言について、複数人が証言している場合、そのうち少なくとも一人は真実を語っている必要があります。 例えば、「騎士団長が王女を怪しいと思っている」という証言と「庭師が騎士団長を怪しいと思っている」という証言に注目すると、騎士団長と庭師のどちらかが嘘をついている場合、両方とも嘘をついている必要があることになります。
- 絞り込み: 上記の点を踏まえて、各人が嘘をついている場合に矛盾が発生しないかを検証します。その結果、宰相が犯人である場合のみ、すべての条件を満たすことが分かります。
宰相が犯人の場合:
- 宰相の嘘: 「私は深夜に王宮内を巡回していただけです。」 - 実際は王冠を盗んでいた。
- 騎士団長の真実: 「私は一晩中、宝物庫の警備をしていました。誰も侵入していません。」 - (宰相が警備の目を盗んで侵入したため、騎士団長は気づかなかった)
- 宮廷魔術師の真実: 「私は魔法で王宮全体を見渡しましたが、王冠は見つかりませんでした。」 - (盗まれた王冠は魔法で隠蔽されていた)
- 王女の真実: 「私はただ王冠に興味があっただけです。盗んだりしていません。」
- 庭師の真実: 「私は王宮の植物の手入れをしていただけです。秘密の通路も知りません。」
この場合、3人が真実を語り、2人が嘘をついているという条件を満たします。他の人物が犯人であると仮定すると、この条件を満たすことができません。