2025-05-31 16:12 の謎
毎日楽しめる謎解き:消えた絵筆
【物語】
古都の小さな美術館で、事件が起きた。 展示されていた著名な画家の絵が、何者かによって汚されたのだ。 絵に描かれていた美しい花の一輪が、黒い絵の具で塗りつぶされていた。
館長の調べで、事件が起きたのは午前10時から11時の間であることが判明した。 その時間帯、展示室にいたのは以下の4人。
- 赤井 健太 (あかい けんた): 熱心な絵画愛好家。いつもスケッチブックを持ち歩いている。
- 青木 美咲 (あおき みさき): 美術史を研究する大学生。事件当時は、絵の前で熱心にメモを取っていた。
- 黄川田 剛 (きかわだ つよし): 絵画のコレクター。高そうなスーツを着て、絵をじっくりと鑑賞していた。
- 緑山 さゆり (みどりやま さゆり): 近所の小学生。社会見学で美術館を訪れていた。
館長は、彼らに事情聴取を行った。
- 赤井:「私はずっと絵の全体をスケッチしていました。絵筆なんて持っていません。」
- 青木:「私は絵の細部を観察し、メモを取っていました。黒い絵の具なんて持っていません。」
- 黄川田:「私はただ絵を鑑賞していただけです。絵に触れていません。」
- 緑山:「私は、絵を見てから出口のスタンプを押して帰ろうと思ってました。スタンプは押してません。」
監視カメラは故障しており、証拠となる映像は残っていない。 しかし、館長は彼らの証言と、現場に残されたわずかな痕跡から、犯人を特定した。
【問題】
犯人は誰でしょう? そして、どのようにして犯行を行ったと考えられるでしょうか?
解答
犯人:緑山さゆり
犯行方法の推測:
緑山さゆりの証言に着目します。「絵を見てから出口のスタンプを押して帰ろうと思ってました。スタンプは押してません」という証言は、一見すると事件と関係がないように見えます。しかし、美術館のスタンプ台には、通常、スタンプのインクが乾かないように黒いインクパッドが置かれています。
緑山さゆりは、絵に黒い絵の具を使ったのではなく、スタンプ台のインクパッドからインクを指につけて、絵の花を塗りつぶしたと考えられます。小学生であれば、絵筆を持ち歩いている可能性は低く、また、絵の具を持ち込むのも難しいでしょう。しかし、スタンプ台のインクであれば、容易に入手できます。
他の3人は、それぞれの証言から犯行が困難であると推測できます。
- 赤井はスケッチブックと発言しており、絵筆と絵の具を所持していてもおかしくないですが、スケッチをしていたため、犯行を行う時間がないと考えられます。
- 青木はメモを取っていたと発言しており、絵の具を所持している可能性は低く、メモを取るのに集中していたため、犯行を行う時間がないと考えられます。
- 黄川田は絵を鑑賞していただけで、絵に触れてないと証言しており、犯行を行う動機や方法が不明です。
したがって、最も可能性が高いのは、スタンプ台のインクを利用した緑山さゆりであると考えられます。