2025-05-25 15:10 の謎
毎日謎解き:消えた絵筆の行方
【物語】
名探偵であるあなたは、静かな山村にある小さな美術館に招待された。招待主は、著名な風景画家である老いたマエストロ・アルベルト。彼は、自身の最高傑作と名高い「朝焼けの村」を描いた大切な絵筆が、昨夜から忽然と姿を消してしまったと嘆いている。
「絵筆がないと、もう絵が描けない…私にとって、それは魂の一部なのです。」
美術館は、アルベルトのアトリエと展示室が併設された、こぢんまりとした建物だ。昨夜はアルベルト、彼の姪であるソフィア、そして美術館の管理人であるマルコだけが館にいたという。
あなたは3人に話を聞いた。
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アルベルト: 「昨夜は9時頃に絵筆を筆立てにしまい、ワインを一杯飲んでから寝た。今朝起きたら、絵筆がなくなっていたんだ。」
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ソフィア: 「昨夜は叔父様の夕食の準備をして、一緒にワインを飲んだ後、10時頃に自分の部屋に戻りました。叔父様の絵筆には触っていません。」
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マルコ: 「昨夜は11時頃に戸締りを確認し、警備システムをセットしてから帰宅しました。今朝、美術館に来てからも、特に変わったことはありませんでした。」
さらに、あなたは以下の情報を得た。
- 絵筆は、アルベルトが長年愛用している特注品で、非常に高価なものだ。
- 美術館の警備システムは、窓とドアの開閉、および館内の動きを感知するセンサーで作動する。昨夜、警備システムに異常はなかった。
- アルベルトのアトリエと展示室は繋がっており、自由に行き来できる。
- 展示室には、アルベルトの作品が多数展示されているが、盗まれたり、荒らされたりした様子はない。
- 美術館の鍵は、アルベルトとマルコの2人が持っている。
- ソフィアは最近、新しい絵画教室に通い始めた。
【問題】
絵筆は一体どこへ消えてしまったのだろうか?論理的に考えて、絵筆のありかと、その理由を推理してください。
解答
絵筆は、ソフィアが持ち出した。
理由:
- 警備システムに異常がなかったことから、外部からの侵入は考えにくい。つまり、犯人は館内にいた人物、すなわちアルベルト、ソフィア、マルコのいずれかである。
- アルベルトは絵筆がなければ絵が描けないため、自分で隠す動機はない。
- マルコは美術館の管理人であり、絵筆を盗む理由が見当たらない。また、彼が盗んだ場合、展示室が荒らされていないことと矛盾する。
- ソフィアは絵画教室に通い始めたばかりであり、高価な絵筆が欲しいという動機がある。
- ソフィアはアルベルトと一緒にワインを飲んでおり、その際に絵筆を盗む機会があった。
- 彼女は10時頃に自分の部屋に戻ったと証言しているが、その後、こっそりアトリエに戻り絵筆を持ち出した可能性がある。
したがって、最も可能性が高いのは、ソフィアが絵画教室で使うために、アルベルトの絵筆を一時的に借りていった(あるいは盗んだ)という推理になる。